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OUT of AFRICA 〈1〉

皆さんはアメリカ合衆国のアフリカ系住民(黒人)に高血圧症が多いということを聞いたことがありますか?...
それでは"出アフリカ(out of Africa)説"という学説をご存知でしょうか?ザックリ言うと、すべての人類の起源はアフリカ大陸である、という内容なのですが、これとは別の出アフリカが16世紀から19世紀にかけて起こります。アフリカ大陸から北米大陸に向けて、労働力を確保するという経済活動を目的として、黒人奴隷が運ばれます。熱帯から寒帯に強制的に移住させられたのです。
熱帯では大量に汗をかくことを容易に想像できると思いますが、これは同時に塩分(ナトリウム)を大量に喪失することを意味します。ナトリウムの喪失によって、血圧が維持できなくなった場合には、生命の危機まで覚悟しなくてはいけません。熱帯という過酷な環境ではナトリウムを体内に保持する遺伝子を持っているほうが生存に有利になるわけです。アフリカに生まれついた黒人種(ネグロイド)は、先祖代々このナトリウムを体内に保持する、熱帯で生存するのに有利な、遺伝子を持っていたことが推測されます。
しかしながら、この遺伝子を保持することは寒帯の北米大陸では不利に働きます。汗をかきにくい環境では、体内に過剰にナトリウムを保持することで、白人種(コーカソイド)系の住民より高率に高血圧症を発症してしまいます。これがアメリカ合衆国のアフリカ系住民に高血圧症が多い理由と言われています。
もっと過激な説では奴隷を運ぶ船内の過酷な環境(炎天下に塩も水もあたえられなかったとのこと)を生き延びる際に、ナトリウムを体内に保持する遺伝子を持たない奴隷は淘汰された(北米にたどり着くことなく、船中で死亡することを意味します)のではないか?とまで書かれています。佐々木もこれはさすがに可哀想すぎるかなぁと否定したい気持ちです。
ここで冒頭の"出アフリカ説"に関わってくるのですが、人類の祖先は共通とされ、この熱帯に出現したわけですから、当然、過酷な環境下にあったものと推測します。ですから祖先はほぼみんなこのナトリウムを体内に保持する遺伝子を持っていたはずですが、"出アフリカ"の過程(日本人にとってはアフリカ→東アジアの移動の過程)でこの遺伝子を徐々に捨てていきます。今もアフリカに居住する黒人種(ネグロイド)よりもこの遺伝子を持つ率は少なくなったとは言え、我々日本人(黄色人種=モンゴロイド)も少なからず、この遺伝子によって高血圧症を発症させられているのです。

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