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糖尿病の起源

NHKで放送された「病の起源」を視聴したのですが、この番組はよくできてますよね。ファーストシーズンが2008年放送、セカンドシーズンが2013年放送。視聴者は放送の中でヒトの病気の歴史を学習していくのですが、現在、我々を悩ませている病気のほとんどがヒトの営みが大きく変化した時期に生み出されてきたことがわかります。
ヒトの営みが大きく変化した時期は、狩猟の開始(200万年前)、農耕牧畜の開始(1万年前)、産業革命(150年前)の3つ。この3つの時期に食習慣も大きく変化するのですが、このたびに糖尿病患者が増加していったと放送の中で述べています。どんな変化があったか、以下に放送内容をまとめてみます。
  • ■ 狩猟時代以前;おサルのような樹上生活から地上に降り立ったが、樹上生活時代と食事内容に大きな変化はなかった。木実が主食、運がよければ甘い果実にありつけた。糖質(炭水化物)中心の栄養。糖質といっても質の悪いもので、インスリンが大量に分泌されような食べ物ではなかった。木実に少量の蛋白と脂質とを含有。
  • ■ 狩猟時代;氷河期に当たり、肉食が主食となり、野生の動物を狩った。火の使用、焼肉の始まり。腹ペコのときはみんな一緒。狩猟時代になって、カロリー摂取の比率で糖質が少なくなり、蛋白質と脂質が増加した。この時代にインスリン抵抗性を獲得したと言われている。
  • ■ 農耕牧畜時代;糖質が安定的に収穫可能となった。急速に糖質を大量に摂取するようになり、狩猟時代に獲得したインスリン抵抗性とあいまって、高インスリン血症⇒糖尿病が始まったと言われている。貧富の差も生まれる。富める者の肥満。肉食の変化、野生動物の肉⇒家畜の肉へ。家畜の肉も安定して供給されるので、さらに蛋白質と脂質が増加した。
  • ■ 産業革命以降;大量の食べ物が工場で作られる。加工された安価な精製糖の出現。精製糖は粗悪な糖質と違って、インスリン分泌を増加させ、大勢の糖尿病患者を生み出すこととなった。大量の食べ物が安価に入手可能となり、貧者にも肥満が広がる。さらなる肉食の変化、家畜の飼育にも人工飼料が使用されることで、脂質の中でも飽和脂肪酸が増加した。

脂質に注目して見てみると、野生動物の脂質は不飽和脂肪酸が多く、さほど悪くない脂。農耕牧畜時代は家畜に穀物を飼料として与えることで、さらに産業革命以降は人工飼料を与えることで、脂質はどんどん飽和脂肪酸が多いものへと変質。飽和脂肪酸は悪玉コレステロールのモトなので、動脈硬化性疾患の増加につながってくる。動脈硬化もインスリン分泌増加で進展するので、動脈硬化性疾患の増加も加速したとのこと。


NHKで放送された「病の起源」はこちらでも閲覧できますよ。
こちら http://channel.pandora.tv/channel/video.ptv?ch_userid=fx_keaton&prgid=33684472&categid=33616046&keyword=病の起源&page=1&ref=ch&lot=cthum2_1_1

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